第8回発表会
ご挨拶
本日は「Miyoko's TapDanceCompany 第8回発表会」にご来場いただき、誠にありがとうございます。 本来であれば、出演メンバー全員によるオープニングで華やかに始まるところですが、今回は私のお話で失礼を致します。 今回の舞台では、出演者のマスク着用だけでなく、様々な対策を講じました。 メンバーの出演曲目を減らし、演目もなるべく短く編集しました。 前回は3時間弱の長丁場でしたが、今回は約2時間で終演できるようにしました。 メンバー同士の接触を減らすため、全体でのリハーサルは中止しました。 全員が集まったのは、今日が初めてです。 そのため、大人数で行うオープニング作品は、断念せざるを得ませんでした。 フィナーレも全員が一堂に壇上に上がることはありません。 このような感染防止対策をしながら、今日という日を迎えております。 この第8回発表会は、昨年の10月に開催する予定でした。 回を重ねるごとに、より工夫を凝らした舞台をと、2019年11月より準備を進めていました。 新型コロナによる影響は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。 昨年4月の緊急事態宣言によってスタジオでのレッスンも休講となり、静かな、それでいて息の詰まるような日々が過ぎて行きました。 生徒さんと発表会をどうすべきかと、何度もミーティングを開きました。 無観客での開催、オンラインでの動画配信、ライブへの切り替えなど、いくつかの案が出ました。 しかし、私より生徒のみなさんが、観客を招いて舞台で見せたいという思いを、強く持っていました。 結果、発表会を1年延期しようという結論となりました。 年が開けて2021年。 感染状況は好転せず、長引く自粛と制限により、この発表会に参加される方からも、様々なご事情で3割ほどの方が辞退されました。 そんな中、生徒さんから、「こんな時に7割の方が出演を決めてくださっているんですから、がんばりましょう」と励まされました。 私の長年の盟友である清水美保子先生に出演の意向を尋ねたところ、さも当たり前にように「出演しまーす」と元気な声で答えてくれました。 私は心を決めました。 この1年半、私たちダンスインストラクターは厳しい状況にさらされました。 生徒さんが減りました。新たな入会者も、例年よりも少ないです。 劇場や舞台に携わる舞台監督さんや音響、照明さんも同様です。 でも、このような時期だからこそ、気持ちを切り替えて前向きになるためには、カルチャーやエンタメの力が必要だと思います。 自粛生活を送っていたみなさんには、この舞台でそのストレスを発散していただけたらと思っています。 みなさんが明日から元気に頑張ろう!という前向きな気持ちに、少しでもなっていただけたら、こんな幸せなことはありません。 舞台からは目に見えないエネルギーが伝わります。 出演者の、そして裏方の、必死な思い。 それが、今日ご来場のみなさんに伝われば嬉しいです。 これまでの間、発表会の開催に意味があるのか、わからない気持ちになることが多々ありました。 そんな時、タップの師匠から言われた「やめるのは簡単だよ」という言葉を、いつも思い起こしました。 キッズクラスの生徒さんには「やめるのは簡単。誰でも、今からでもできる。でも続けることができる人はほんの一握り。あなた方はその特別な人なんだよ」と伝えています。 そう言っている私が、あきらめることは出来ません。 たかがタップ、たかが発表会。されど舞台です。 今日は、このような状況下でも、出演を決めて、目標に向かってがんばり続けてきた60数名に、あたたかな拍手をいただけたらと思います。 それでは間もなくスタートです。 どうぞお楽しみください。 皆川 ミヨコ